第237回長野県眼科医会集談会 特別講演 l

「トーリック眼内レンズの導入について」

大木眼科 院長 大木 孝太郎

 現在の白内障手術は眼内レンズ挿入術とほぼ同義語である。用いられる眼内レンズには様々な付加価値レンズが登場し、患者に合わせて選択される時代になってきた。トーリック眼内レンズは、現時点で最大約2Dの角膜乱視を眼内で矯正することができる。正しく挿入されると、単焦点レンズに比べより良い術後裸眼視力が期待され、患者のQOL向上に役立つレンズである。挿入に際し、術前検査で得た乱視軸を手術顕微鏡下で認識することが何より重要であり、様々なテクニックが報告されている。今回は演者の行っている方法を中心に、トーリックレンズ適応と使用法について述べる。