第242回長野県眼科医会集談会 特別講演

加齢黄斑変性に対する治療を考える

慶應義塾大学医学部眼科学教室 小沢 洋子

 加齢黄斑変性に対する現行の治療法には、抗血管内皮増殖因子(抗VEGF)療法と光線力学的療法(PDT)があり、さらにいろいろな可能性が考えられている。このような治療法は、病態メカニズムが明らかにされてこそ、発達したものである。そこで今回は、これまでの研究結果からわかってきた加齢黄斑変性の病態を解説し、現行の治療法のメカニズムを述べる。特に、最近普及した抗VEGF療法については、その作用機序と共に効果について、国内外の治験の結果や自験例を元に述べる。また、予測される合併症や今後の課題などについても述べる。