第250回長野県眼科医会集談会 特別講演
糖尿病網膜症:最近の話題
九州大学 石橋 達朗
糖尿病網膜症の病態解明と治療は、現在の眼科学におけるもっとも重要な問題の一つで、多くの取り組みがなされている。しかしながら、網膜症は現在においても我が国における後天性失明の主要原因となっており、日々の診療で我々を悩まし続けている。2007年の「国民健康・栄養調査結果」によると、生活習慣病の代表である糖尿病が強く疑われる人は約890万人、可能性を否定できない人(予備軍)は1320万人で合わせると約2210万人にのぼる。2006年調査の約1870万人と比べて約340万人増え、1997年調査の約1370万人と比べると6割も増加しており、今後も更なる増加が見込まれている。
本講演では網膜症の病態解明や治療の最近の話題について述べる。