第254回長野県眼科医会集談会 特別講演

続発緑内障と糖尿病眼合併症

信州大学医学部眼科学教室 統括医長 京本 敏行

 続発緑内障の中でも重症なものとして、血管新生緑内障が挙げられるが、従来の治療方法では難治性の経過を辿ることが多かった。しかし、抗VEGF阻害薬の登場により、失明を回避できる症例が増えてきている。また、糖尿病網膜症に対して汎網膜光凝固術を施行後に、凝固斑が拡大することで視野狭窄する症例が少なからず認められていたが、パターンスキャンレーザーを代表とした網膜光凝固装置の進歩により、過凝固にならず光凝固が完了できるようになってきている。このため、失明を回避するのみならず、良好な視力を維持できる症例が増えてきている。そして近年では、黄斑浮腫に抗VEGF阻害薬が保険適応となるなど、治療の選択肢も増えてきている。今回は2011年の4月に講演した内容の続編として、追加症例を交えてお話しする予定である。