第295回長野県眼科医会集談会・第56回信州臨床眼科研究会 特別講演

緑内障手術アップデートと前眼部画像検査の活用

新潟大学大学院医歯学総合研究科眼科学分野 准教授 赤木 忠道

 最近のおよそ10年間で緑内障手術の選択肢は大きく変わりました。流出路再建術は、従来の線維柱帯切開術眼外法からMIGSと呼ばれる線維柱帯切開術眼内法へと大きく移行しました。目標眼圧が極めて低い症例では現在でもトラベクレクトミーが第一選択ですが、ロングチューブシャント手術の有効性が認知され難症例に対しても踏み込んだ治療介入が可能になりました。最近登場したプリザーフロマイクロシャントにも注目が集まっています。それぞれの術式において様々な注意点がありますが、術後長期間にわたって良好な眼圧を維持することは必ずしも容易ではありません。 前眼部のOCTやOCTAなどの前眼部画像検査を活用すると色々な情報が得られます。緑内障手術後では、前眼部OCTによって前房評価、濾過胞形態、上脈絡膜剥離の有無など、前眼部OCTAでは濾過胞血管、虹彩新生血管、強膜内静脈叢血流などの評価が可能です。 本講演では、各術式における注意点やポイントを整理しつつ、前眼部画像検査でどのような情報が得られるのかについても供覧したいと思います。