第295回長野県眼科医会集談会・第56回信州臨床眼科研究会  一般講演抄録

ブリモニジンによる両眼の角膜混濁が疑われた1例

長野赤十字病院  伊東 優衣、陶山 宏、金児 由美、榑沼 大平、鳥山 佑一

【目的】緑内障にて点眼加療中に難治性の両眼性角膜混濁が出現し、原因としてブリモニジンによる角膜混濁が疑われた1例を経験したので報告する。
【症例】64歳女性。6年前に近医眼科にて緑内障と診断、点眼加療開始された。両眼の角膜混濁を認め当科紹介受診。初診時、矯正視力は右が0.9、左が0.15。左眼優位に両眼に毛様充血と角膜混濁を認めた。緑内障点眼による影響を疑い使用中の緑内障点眼をすべて中止の上、ステロイド点眼を開始した。ステロイド点眼で角膜混濁は改善を認めたものの残存あり、加療開始6ヶ月後の視力は右が1.2、左が0.4と初診時よりは改善したが角膜混濁の残存が強い左眼では視力改善は限定的となっている。長期間のブリモニジン使用歴があることや特徴的な角膜混濁所見からは、ブリモニジンによる角膜混濁が原因として考えられた。
【結論】特徴的な角膜所見からブリモニジンによる副作用が疑われた、両眼の角膜混濁の1例を経験した。