第299回 長野県眼科医会集談会・第58回信州臨床眼科研究会
一般講演:高次非球面単焦点眼内レンズによるレンズ不適応の1例
陶山宏、中村麻里恵、榑沼大平、鳥山佑一
【緒言】近年、様々な眼内レンズ(IOL)が登場しているが、TECNIS Eyhance®(DIB00V、Johnson & Johnson Vision)は単焦点IOLでありながら高次非球面を付加することで、extended depth of focus(EDOF)IOLに類似した遠方から中間距離までのなだらかな焦点深度を描くことができ広く普及している。今回多焦点IOLに多いとされるレンズ不適応症状によるIOL交換を、DIB00Vにて経験したためその経過について報告する。
【症例】70歳女性。左眼は近医で白内障手術済。経年で右眼視力低下あり手術希望で紹介。初診時矯正視力右(1.0)、左(1.5)。手術施行しDIB00Vが挿入されたが術翌日右眼視力0.3p(n.c.)。術後1ヶ月まで経過観察したが右眼最高視力(0.5)、眼所見、検査所見ともに異常を認めず、視標が二重にずれる自覚症状がありレンズ不適応が疑われた。IOL交換を行い、術後速やかに自覚症状改善、術後3ヶ月で右眼視力も(1.2)まで改善した。
【結語】多焦点IOLによるレンズ不適応症状でIOL交換を要した割合は既報では1.2%とされるが単焦点IOLによる報告は我々が知る限りでは無い。高次非球面単焦点IOLにおけるレンズ不適応が疑われた1例を経験した。