第54回 長野県眼科フォーラム 特別講演

難症例白内障手術のトラブルシューティング

はねもと眼科 塙本 宰

 近年、白内障手術は大きく発展し、術後に高いQOV (Quality of Vision) が得られる時代になっている。 また、それに伴い、高い QOV が求められることが当たり前になりつつある。しかしながら、 小瞳孔やチン小帯脆弱例などの難症例は決して少なくならず、一定の頻度で対処する必要がある。 難症例の手術において、いかに高い QOV を患者に提供するかが、大きな課題である。 高いQOVを得るためには、 小切開創白内障手術を正確に完遂することが重要であり、チン小帯が断裂した場合でも小切開で美しく仕上げることが求められると考える。
本講演では、私が行っている手術手技やセオリーを紹介するとともに、 近年話題の「dead bag syndrome」 などの術後に眼内レンズが脱臼する原因についても情報を提供したい。 難症例白内障手術においては、手術の際に多くの引き出しを持っていることが重要である。本講演が白内障術者のアイデアの引き出しとなれば幸いである。